岩に囲われる深い谷間の中で

Backcountry Support

Backcountry Skills
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我々は、皆お互いがコミュニケーションを深め、山の中へ入っていくことを大事に考えています。そして、お互いは相互に信頼しあってこそ、より素晴らしい日々のバックカントリーに繋がることと考えます。
我々は、バックカントリー用具の取り扱い、山での行動について(体力面、滑走技術面、地形把握面、セルフレスキュー面)など、バックカントリーに必要な知識やスキルを身につけ、向上心を持って段階的にそれぞれのフィールドへ出向くことができます。
また、我々は日々山のコンディションの把握に努め、日々技術及びセルフレスキュー技術などのトレーニングに努め、日々我々自身も自らが更なるスキルアップを目指すことができます。
我々は、バックカントリーフィールドにて、多くのルートを持ち合わせ、その為、その日その日に合わせたベストコンディションのフィールドへ足を運ぶことができます。
皆様に、いつまでも山を楽しんでいただきたい。長い間楽しんでいただきたい。そう想うからこその「Backcountry Skills(バックカントリースキル)」。今後もこれからも、バックカントリーを是非一緒に楽しんで行きましょう。

|  Ski Lesson |  Backcountry Guide |  Backcountry Skill-Up Camp |
登り切った稜線上にて皆でハイポーズ
積雪コンディションのスキルを磨く皆
セルフレスキュートレーニングに精の出る皆
ロープワークトレーニングに精の出る皆
雪山で皆と過ごす時間に笑顔な皆
Backcountry Safety
【はじめに】

ようこそお越しいただきました。山へ向かう皆様には是非、ご一読いただければ幸いです。
山岳エリアでは、そこで起こるあらゆる問題、怪我及び事故、そして遭難など全てがあなた自己自身にその原因が規されます。
ここでいう山岳エリアとは、各地域に多くあるスキー場管理エリア内と違い、その外であるバックカントリーエリアのことをも意味します。
山岳エリアでは、こと冬において夏場の登山道を含む全ての場所で、人による管理を行っておりません。
山岳エリアで起こることに対するあらゆる問題は、地域によって組織される山岳救助隊によりその解決へ向かいます。そして、その場合の多くが有償による救助活動となります。
山岳エリア内に踏み入るあなたは、山岳エリア内において適応される保険に入ることも必要です。
山岳エリアに向かうあなたは、これから以下に紹介する事項を注視することが必要です。
是非、私達の愛する自然を満喫してください。
ありがとうございます。

広大な自然を満喫しに出る皆
【山岳・バックカントリーエリアの危険】

※以下に、山岳・バックカントリーエリアに存在する危険の一部を示します。
・山岳・バックカントリーエリアには、多くの危険が存在します。そのリスクを軽減することは可能です。しかし、完全にゼロにすることはできません。
・山岳・バックカントリーエリアでの事故は、時に生命にもかかわることがあります。そのことを十分理解した上で、入山下さい。
・常に危険を意識することが、最良の事故防止策です。
■雪崩:
降り積もった雪が重力により移動する現象です。雪に埋まることによる窒息死、圧死、低体温症、流される過程での衝突が考えられます。
■転倒・滑落:
スキー場エリア内と異なり、降り積もった雪が整備及び管理されておりません。悪雪による転倒、アイスバーンによる滑落などの危険があります。
■スノーブリッジ、クラック:
積雪が薄くなっていたり割れ目ができていたりすることで、転落事故の可能性があります。特に、沢に落ちた場合は悲惨な事故につながります。
■樹木、倒木、岩などの障害物:
樹木、岩、木の周りの穴、雪に埋まった倒木など危険な障害物が存在します。ゲレンデ以上に、しっかりとコントロールされた滑りが要求されます。
■気象:
山岳・バックカントリーエリアの気象条件は様々です。常に快適なときばかりではありません。風雪により行動できなくなるということもあります。

アルパインエリアを滑る
【入山前の知識及び技術確認】※滑走目的を中心に

※以下の事柄を持ち合わせているか否かで行動の取り方がだいぶ違ってきます。時間はかかります。急がず慌てずしっかりとした知識を身につけ歩んで行きましょう。
■滑る技術:
単なる板操作の他、自然の地形に隠れる罠へ対応する技術を持ち合わせているか。
■登りの体力:
単にエントリー場所への移動の他、予期せぬことにより不運にも登り返さなければならない状況で全て登り返せる体力があるか。
■滑りの体力:
広大な斜面でときに時間差で同じ斜面に入る人がいる、その際に上の状況が確認できないことが多い、そこで予期せぬ事で上から雪面を切られ雪崩が襲って来たらどうでしょう。よって巻き込まれない為にも一息にトップからボトムまで滑り降りたい、その体力があるか。
■バックカントリー用具の取扱:
歩行用具はもちろんのこと、ビーコン、ゾンデ、ショベルなどのセルフレスキュー用具をしっかりと使いこなせるか。また、ロープ、カラビナ、ハーネスなどの登攀用具を使用したクレバスレキュー[引き上げ技術]、そのシステムを構築出来るか。そして、スキーやスノーボード、ツェルトなどを利用した搬送用具を組むことが出来るか。
■協調性:
ルートによってはパーティーの行動が遅くなるような大人数になっていないか。一緒に入る仲間とありとあらゆる状況下で信用し合い行動できるか。
■ルートの確認:
パーティーの仲間全員がルートを確認しその特徴やコンディションそしてセイフティーポイントまでもをしっかりと把握しているか。
■etc

視界の悪い中を進む
【入山前の準備確認】

※山には多くの障害がありそれを回避したり乗り越えたりすることも楽しさの一部です。応用できる活きた山岳・バックカントリー技術を身に付けることにより、行動のとり方がだいぶ違ってきます。
■知識や技術の習得:
身に付けることにより山での事故に遭う確立を減らすことができます。
■セルフレスキュートレーニング:
山における雪崩事故などからの生還に必要不可欠です。
■服装:
スキー場エリア内とは違いレストハウスなどがないことから、速乾性のあるアンダーウエアー(肌着)や靴下をはじめ化繊のシャツやフリース類、防水透湿性を備えたアウターウエアーを着用することが望まれます。また予備の保温着、ダウンセーターなどを装備することも必要です。
■持ち物:
一般登山・バックカントリー用具の他、特に次のものを再度確認します。雪崩対策用具としてのビーコン、ゾンデ、ショベルなどは必携品目です。また、万が一に備えた予備食、そして歩行用具であるスノーシュー、スキーシール(スキン)、アイゼンなどを装備することも必要です。

ラスト一本を前にして
Snow Safety
深々と雪が積もる広大な斜面を目前に
広大で長く入り組む谷筋を行く
一つ一つの小さな地形形状を行く
Column
Imagination and Creation

その山を舞台に楽しむのはあくまで皆さん自身です。そしてその空間の中ではいったい誰がその主人公となり得るのでしょうか。
山に入り始めた当初の僕は、山麓で一人テントを拠点に生活していた頃がありました。とても静かで精神的にも山が近かったことを記憶しています。薄っぺらいナイロンの壁が外と内の境を無くし、寝床から山へ入るにも気持ちの切り替えが必要ありませんでした。とても効率の良い生活だったと思っています。ある種の情熱を持ち山へ入る僕には、前しか見えていませんでした。しかし、今でもこうやってスキーを楽しんでいられるには、あるタイミングでいくつかの変化があったのです。
白馬連峰も稜線近くで、当初予定していたルートへ足を運ぶ時でした。行程としては時間通り、ただ予定より早い天候の悪化。それまでの僕は、一度決めた行程に背を向けることをしたことがありません。その時も、足は前へ進める事だけを考えていたのです。そしてその瞬間、猛烈な突風が僕を襲いました。強い風が体を巻き込み息をすることすら困難な状況でした。ふと自分が置かれた状況をそこで初めて気づかされるに至りました。運よく多少足元を滑らすだけにとどまったその時、あたり一面は暴風雪と化し初めてそこで足を引き返す方へ向けることが出来ました。ただただ、足を前にしか出すことのできなかった僕は、そこで初めて自身の無知さ加減を知ったのです。ゴーグルの中では、涙が溢れていました。そしてそれは恐怖を知り得たことへの感動でもありました。
山へ向かうに当たりいつでも不安な気持ちは付きまとうものです。不安な気持ちが湧かないのであれば、それはそこで起こり得る状況を想像できていないこととなります。不安はいい意味での緊張感であり必要なものです。そして今度はある種の状況を想像できたのであれば、それを回避するための技術を準備してみます。それはリスク回避につながり、より良い創造過程へと導かれます。技術のそれぞれはそう難しいものでありません。大切なのは自身の想像力にその技術のそれぞれをどう組み合わせ実際の創造活動へと結びつけるかです。山は人為的な管理の行き届かない自然の世界です。そこで思う存分、自分たちの想像力を発揮し、実際に創造し自由に遊ぶことへ向かいましょう。
山スキーを楽しむうえでは、あくまで自分自身のペースでよいのです。自然と会話しながらの、徐々に受け入れてもらう歩みです。そこに飛躍はなく、着実さだけがある。その自然からのメッセージが少しずつ聞こえてきます。一人山の中、どこまでも白く染まる足元に、自然から成る表情と数キロにわたって誰もいない空間であることに気が付きます。その遊び自体を計るものさしを人の目にゆだねることなく、自身の心の中において楽しんでみましょう。

舎川朋弘 (2017) 「山スキー入門」 山と渓谷社 P,50
我々のスキーが、人生をも豊かにする遊びであってほしい。トーンズスキーは、そのかけがえのないパートナーとして生まれてきました。
我々は、そのような皆様のスキーライフをサポートします。今後とも、よろしくお願いします。
Tomohiro Tonegawa
皆で築き上げる登行トレース
皆で到達した山の上
青い空の元で皆と共にする雪山の時間